Play scapeの最近のブログ記事


東京都現代美術館で開かれた「こどものにわ展」に「おうえんやま」という大きな黒板の作品を出展しました。
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2009年に手がけたにしすがも創造舎の巣づくりプロジェクト
カモのフォリーの羽つけや小道の色塗りのお手入れワークショップを行います。

去年の夏にたくさんの方とワークショップで制作したカモのフォリー。子どもから大人までを不思議な魅力で惹きつけ、
遊び場、時には音楽ライブのステージとなって、みんなが集う場=「巣」となってきました。

今回、建築の設計・実務を勉強中の方を対象に、フォリーを中心としたメンテナンスワークショップを開催します。奥多摩に間伐材を伐採に行くところから始まり、木の皮むきや塗装など、地域の方々や子どもたちの手作業も交えて作り上げたこの「場」のメンテナンス作業を通じ、みんなの場所をみんなで育てて行く楽しさを体験して頂けるワークショップです。

 ■スケジュール■
 9月1日(水)13:30~16:30 顔合わせ&アイディア出しWS
 9月2日(木)10:00~18:00 奥多摩へヒノキを間伐に行く

 9月3日(金)10:00~17:00 皮むき&通路塗装
 9月4日(土)10:00~17:00 皮むき&通路塗装
 9月5日(日)11:00~17:00 皮つけ、看板作り


詳細とお申込は、にしすがも創造舎ワークショップ告知ページをご覧下さい。
皆様のご参加、お待ちしています!
 
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office mikiko でデザインした期間限定「ふわふわちょうこく広場」が、4月29日から箱根の彫刻の森美術館で始まりました!

美術館にある有名彫刻のシルエットに、かわいい目玉がついた巨大クッション。
またがったり、よじ上ったり、並べておうちにしたり、記念撮影したり、お弁当を食べたり、お昼寝したり..大人から子どもまで楽しめる広場です。
みんなが彫刻とおともだちになって、ちょっと難しそうな美術館での思い出が、もっと身近に心に残ったら素敵です。

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場所は、敬愛する堀内紀子さんの「ネットのお城」があった建物。老朽化にともないこれまでのネット遊具は解体され、新しい場所(手塚建築研究所の設計)に新しく作られました。堀内さんは、すべて手で編まれるそうです...誰も真似ができません..。
本当に素晴らしい..弟子入りしたいくらいです。


美術館では、ほかにもみかんぐみが会場構成している展示も行われています。
あれこれ見所ある楽しい美術館、
みなさま、あたたかい季節、是非おたちより下さいませ。

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(これまでHPやコラムに書きためたもののご紹介です)
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2006年の夏から関わっているプロジェクトです。
乳幼児の子どもを持つお母さんたちがなかなか外で子どもを遊ばせるきっかけをつかめない..という声から始まったこのプロジェクト。世田谷のプレーパークに長年関わってこられた矢郷恵子さんのお声かけで参加しました。

いろいろな遊び道具をつんだプレイリヤカーが、公園や広場を訪問します。地域のお母さんなど、子育てサポーターの方がリヤカーの運搬や管理を行います。目的地に到着すると、90cm×60cmの小さな荷台からは、パタパタっと折りたたみ式の遊び道具が展開します。砂場道具の入った木箱や三角形の黒板ティピ、ふわふわと風になびく布のれんや段ボールの組み合わせパズルなどなど。目的や行く先の環境にあわせ、軽くて小さくたためるいろいろな遊びのしかけを少しずつ改良しながらバージョンアップしてきました。

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短時間ですが、遊び場にはたくさんの子どもが集り、大人どうしの交流も生まれてゆきます。いつもとちょっと違う遊びの体験が子どもにとって思わぬ刺激となり、ふだんできなかったことができるようになったり、地域の新しいお友だちができたり。外で遊ぶことは、子どもにとっても大人にとってもとても豊かで大切な経験です。さまざまな環境や地域で積極的に楽しんでもらえるように、これからも全国へ展開してゆけたらと思っています。

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プレイ・リヤカー - 乳幼児のための移動貸し出し遊具 -
05年度内閣府都市再生モデル調査事業
乳幼児期の生き生き公園利活用プロジェクト/有)毎日の生活研究所 矢郷恵子
協力:財)ハウジング&コミュニティ財団株式会社ボーネルンド、社団法人公園緑地協会、新しい保育を考える会、NPO法人せたがや子育てネット、砧多摩川遊び村、NPO法人日本のふるさと体験村
会場提供:世田谷区
設計製作:officemikiko、桑沢デザイン研究所学生有志

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(これまでHPやコラムに書きためたもののご紹介です)
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2004年の夏、NPO日本冒険遊び場づくり協会の矢郷恵子さんから、代々木公園駅近くの「はるのおがわプレーパーク」というところで、親子で遊ぶイベントのしつらえをしてくれないか、とのお声がかかりました。

最近のお母さんたちは「なかなか子どもを連れて外で遊ぶ気になれない」という人が多いらしく、外遊び離れが著しいとのこと。日本の公園があまり魅力的でないからでしょうか。ついつい、家の中や、ショッピングセンターの中の遊び場など、室内の遊びですませてしまうことが多いようです。でも、水や土や植物で遊ぶことは子どもの発育にとても大事なこと。矢郷さんたちは、外で遊ぶ楽しさをもっといろんなお母さんに感じてもらうための活動をいろいろ行われていて、今回は乳幼児づれの親子を対象としたイベントを開きました。

この「はるのおがわプレーパーク」は、渋谷区の土木課の管轄の街区公園です。その運営を、日本冒険遊び場協会というところが委託されて行っています。敷地内にはコンテナのような小さな事務所が一つあり、プレーリーダーという専門の養成を受けたお兄さんお姉さんが常駐しています。工具で工作したり、ツリーハウスを作ったり、たき火をしたり、落ち葉のプールを作ったり、思いっきり楽しめる公園です。
ただ、廃材など地味な色を使ったものが多く、ちょっと特別な雰囲気でなかなかイチゲンさんには足をふみいれにくいのが残念なところ。そこで、オランダでいろいろ見てきたようなカラフルでチャーミングなデザインで、公園を楽しく見せて欲しいとのお話でした。
予算がとても少なかったため、直前まで近所のリビングデザインセンターOZONEでやった展覧会の遊具や材料を再利用し、学生さんのボランティアを集めて、いろいろな遊び道具を公園にしかけました。

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嬉しかったのは、主催の冒険遊び場協会の方々をはじめ、渋谷区の区長さんや教育委員会の方など、「色を明るくすると、こんなに雰囲気がよくなるんですね! 目ウロコでした..!」とたくさんのお声をいただけたこと。
こうやってデザインの工夫を少しすると、「かわいいな」「楽しそうだな」と思ってもらえるようで、これまで入ったことのない人も多く参加してくれたみたいです。
東京に暮らしていると、みんなの場所なのになかなか上手に使われていないところがたくさんあるな、と感じます。こういう場所が少しずつカラフルに、チャーミングな装いになって、みんなの暮らしが豊かになるお手伝いを、これからもできたらいいなと思いました。

2004年9月24・25日
『ちっちゃい子のためのぽかぽかぷれーぱーく&子育てミニミニめっせ』
会場:渋谷はるのおがわプレーパーク
主催:日本冒険遊び場づくり協会
後援:独立行政法人 福祉医療機構

(これまでHPやコラムで書きためたものの、ご紹介..。)

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2004年の夏休み、建築家の相澤久美さんと新宿のリビングデザインセンターOZONEにて、親子で楽しむスペースの展覧会を開きました。

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折りたたみ式の段ボール遊具のユニットを組み合わせて、おおきなトンネルの遊び場を作りました。そのイベントにからめて行われたワークショップ。段ボールの箱に思い思いのペイントをして、オリジナル遊具を作ります。できた作品は近隣の代々木小公園「はるのおがわプレーパーク」(代々木公園の裏)に寄贈しました。

mother dictionary のコラムにも、展覧会リポートワークショップリポートがあります。
またチルドレンズミュージアムの第一人者の目黒実さん、日本冒険遊び場協会の矢郷桂子さんをお招きしてのトークショーも行いました。

2004年8月28日おやこでたのしむOZONEのなつやすみ
ワークショップ・立体パズル迷路を作ろう!
主催:リビングデザインセンターOZONE
講師:遠藤幹子+相澤久美
協賛:ウィルライフ株式会社

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〜 青山児童館を大改造..(案)〜
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   (クリックすると掲載webページへジャンプします)

オランダから日本にもどって事務所をたちあげたころ(2003年)、建築家の友人の相澤久美さんと一緒に「もっと素敵なこども環境があったらいいよね」とよく話していました。おたがい小さな子どもを育てている最中で、建築をデザインするということだけではなく、何かお母さんとして大切に感じていることを、行動にうつしたいなと思っていました。
ちょうど、Dictionaryというフリーペーパーから、mother(母性)をテーマにした号を発行したいから、何かやらない?とのお話がありました。(このフリーペーパーは、スネークマンショウのプロデュースをされた桑原茂一さん発行で、今年で20周年目になります。坂本さんや茂木サンなどいろんなアーティストやミュージシャンが投稿しています。)

そこで、オランダで見てきたような、気持よいパブリックスペースがもっと東京にあったらいいのに! という気持があったので、家の近くの「港区立青山児童館」という施設の改装計画を、勝手に描いてみました。この児童館は、表参道のあたりの青山通りに面しているのに、施設も建物も閉鎖的で可愛くなくて、もったいないな〜..といつも思っているところでした。
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..もしもあの建物が..

  自然エネルギーで自給できて、屋上には畑がいっぱいで..
  そこで採れたお野菜を、1階のカフェでお料理して食べることができて..
  こどもたちは、地域のレストランからの生ゴミ回収のお手伝いをして、
  お礼のコインで好きなジュースを飲むことができて..
  カフェではワークショップやいろんなイベントが行われていて、
  地域の人も、大人も子どももお兄さんお姉さんみんなが楽しめて..
  災害時には防災拠点になって、まちの命をしっかり守ってくれたら..

みんなとっても嬉しくなるだろうな〜..!
「あったらいいな」のアイデアを勝手にモリモリ盛り込んだ理想のタテモノです。

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同じ誌面で、APバンクなどでご活躍の田中優さんとの対談もさせて頂きました。
通貨のこと、エネルギーのこと、法人や団体のしくみのこと、いろいろなことを教えて頂き、とっても勉強になりました。

思い起こせば、これが私の地域や社会のお仕事の原点になっているのかなあと、久しぶりに読みかえして思いました。5年たったいま振り返ると、こういう空間を実際につくるお仕事に、ちょっとずつではありますが、実際に関わっていていることを嬉しく思います。最近できたカモ・カフェはだいぶ近いものがあるかな..と。これからも、いろいろな人と一緒に、キラキラしたみんなの場所をつくって行きたいです。

このフリーリーペーパーdictionaryの20年の全号をWEBライブラリで見れるようになっています。時系列、人名タテヨコ横断できるので面白いですよ。 ↓
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(これまでHPやコラムで書きためたものの、ご紹介です)

〜オランダ遊び場事情4〜

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海運はオランダの代表産業です。国一番の港湾都市ロッテルダムのHeijplaatという地区に、あるこの公園は、Ton Venhoevenという建築家によるものです。港のいろんなアイテムを遊具に変身させてしまった、とってもユニークな公園です。

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Heiplaat地区は、市街地から地下鉄とバスを乗継いでゆく、本当に港の真ん中にある団地のようなところ。道中、こんなコンテナの山の景色がずーーっと続きます。

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コンテナは大胆に積まれてアスレチックに、遮断機の紅白バーはシーソーに、ロープを固定するブロックは飛び石のように配置されています。

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テレタビーズランドのようなランドスケープも、まるで劇場のよう。大人が見てもわくわくするのですから、子どもにとってはイマジネーションの宝箱です。めだまがついているのが、また何ともチャーミング。

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いわゆる遊具の安全基準からすると、ヒヤリとするところはあれこれありそうです。が、なによりも、海賊ごっこなど、普段の公園で思いつかないような遊びがいっぱい思いつきます。大人でも、思わず遊び回りたくなるデザイン。お手本のひとつです。

"t Doolhof"  Karimunstraat 24, Rotterdam  設計:Ton Venhoevenheijplaat5.jpg

(これまでHPやコラムで書きためたものの、ご紹介です)

〜オランダ遊び場事情 3〜

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オランダは酪農国で牛や鶏と共に暮らす国です。その文化を都会っ子にも受け継ぐためでしょうか、街のあちこちに小さな牧場つきの公園がありました。オランダ語では、"kinderboerderijen" と言うそうです。

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馬、牛、羊、鶏、ウサギなどがいて飼育者が常駐し、ワークショップや子ども飼育当番などのプログラムも充実しています。公園に面した普通のアパートの外壁には、恐らく子どもたちが描いたようなおっきな壁画がありました。

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近所の人が固くなったパンをあげにきたり、とれた卵を販売していたり、まるで酪農をテーマにした地域集会所のようです。オランダのパンは添加物が少ないのか、すぐにカビでしまいます。すると、みんな余ったパンのかけらを動物にやりに来るのです。私たちも、子どもといっしょに、「ガーガーちゃんにパンをあげにゆくの」が、毎週の習慣でした。

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使わなくなったトラクターを可愛くペイントして、遊具のように置いてあったり。。

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アムステルダムでしばらく住んでいた家(東京で言うと、山手線のちょっと外側の「めぐろ」くらいのイメージ)から、歩いてたった5分のところにもありました。

もっと都心で、例えば日本でいう歌舞伎町のような歓楽街にさえ、これがあるのには本当に驚きました。子どもや地域に何が必要か、いかに真剣に考えられてかが分かります。日本にも動物のいる公園はありますが、市や区に数か所という印象ですが、オランダでは学区に1つくらいありました。動物との触れあいが「特別なおでかけ」でなく毎日の暮らしに溶け込んでいて..

本当に、うらやましい! の一言です。kinderboerderijen5.jpg

(これまでHPやコラムで書きためたものの、ご紹介です) 

〜オランダ遊び場事情 2〜

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オランダの都心では一戸建てがめずらしく、ほとんどが3-4階建てのアパートです。よくそれが中庭のまわりをぐるりと一周して、ロの字型の街区になっています。中庭は長方形に分割され、1階に住む人の庭になっていますが、たまに不定形なものが中途半端に残ってしまうことがあります。その部分を児童公園にしているものを、ロッテルダム市ではよく見かけました。 

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これはその一つ、ニューウェスタ地区のもの。左が入口です。アパートの入口と思いきや、中トンネルをこえると、中庭の公園にたどりつきます。トンネルの壁には、可愛い絵がいっっぱい。明るく演出されています。

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だいたい管理人さんが常駐していて、開園時間を決めて運営しています。 この"De Zandtuin"(砂の遊び場。公園ごとにテーマがあるのも面白い!)にも、子供好きのおじさんの管理人さんがいて、朝の9時から夕方6時まで開いていました。ボールや自転車、スコップやフラフープなどの遊び道具をいっぱい貸し出しているので、わざわざ自分のものを持っていかなくていいから便利です。

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小さな売店もあり、アイスや駄菓子、そして大人のためのコーヒーも50円で出してくれていました。オムツ代えができるトイレもあります。ささやかに、お花の手入れもされているのが、とても気持がよいです。

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 遊具はチビっコから小学生までの遊びをくまなくカバーするよう、すべり台でも大小3つありました。安全のために、小さい子のためのエリアが柵で区画されているのは少し不便でしたが、北ヨーロッパでは子どもの遊び環境の安全に対する基準がとても発達していて、地面はゴムタイルか木チップでカバーされていたり、柵の高さや間隔なども法律で厳しく定められています。

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遊具のデザインも、シンプルな素材を使い、ちょっと明るく色を添える工夫が、たくさんみられます。愛情いっぱいです。回転木馬のような変わり種から、井戸やプールなどの水遊び場、ドラムを土につっこんだようなそっけないものまで。いろんな種類の遊具がぎゅうぎゅうにつまっているので遊園地みたいで楽しいのです。

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なんといっても、おじさんが入れてくれるコーヒーが最高! 
退屈な公園の付き添いも、たちまち「お茶している気分」になれます。バルコニーでのおしゃべりや、トランペットの練習の音など、まわりのお家からの気配に守られている感じ。なんともアットホームな気分になります。

4時になると日が暮れてしまうような寒い暗い国だからこそ発達した、環境でしょうか。
こういうデザインも良くて、居心地のいい無料の遊び場が、オランダにはごろごろありました。駐在のおじさん達は、雇用安定の政策のもとで、市やNPOが連携して人材育成や派遣、運営を行っているということでした。

日本でも、北欧の遊具を置いたり、プレイパークのような遊び場が増えて来たていますが、このように都市計画をからめたイキなしくみは、まだまだ少ないように感じます。東京に戻るたびに、何とかならないのかなあ、とはがゆい気持になったものでした。大人も子どもも、ワクワク楽しく過ごせるような環境をつくる仕事がしたいなあ...! と、思うきっかけになりました。
 "De Zandtuin, Rotterdam"、設計architektenburo JAN WEEDA rotterdam
(これまでHPやコラムで書きためたものの、ご紹介です) 

〜オランダ遊び場事情 1〜 

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アムステルダム市街の中心にあるニューマルクト広場のすぐ近くに、私の友人のSim(シム)という50代の男性が経営する保育園があります。 住宅や店がつまった「ロ」の字の形をした4階建のブロックの1階にあり、近隣でシェアする中庭もあります。
外からはあまり目立たないのですが、中に入るとビックリ! まるでトム・ソーヤやピーターパンの隠れ家のような、自由と冒険の響きに満ち溢れた、ものすご〜いオーラを発した空間が広がっているのです。。。
 
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まずびっくりするのが、四角い室内に張り巡らされた、迷路のようなトンネル空間。本人が何年もかけて作ったそうですが、とにかくすごい。 靴箱がそのまま階段に続いていて、あがって行くと、トンネルのような細い穴を抜け、天井部屋にたどり着きます。途中に滑り台や、ぶらさがりロープ、落とし穴などがあったりします。 生後3ヶ月の赤ちゃんから、4歳の子どもまでが、この迷路の中でキャーキャーいいながら、鬼ごっこをしたり、秘密基地を作ったり、すべる順番で喧嘩したり、落っこちて泣叫んだり、隠れていじけていたり...! もう、とんでもない興奮を繰り広げています。 

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そしてまた驚くのが、天井から裸のまま吊るされたガスストーブ。みんなすぐ届いてしまう高さにあって、触るともちろん熱いです。やけどもします。いつもこのストーブの「底」を見上げながら過ごしています。本当に落っこちてこない? 大丈夫..? と、行くたびに私はハラハラしていました。


壁には、とんでもない数のがらくたが張り付けられています。大工道具や合板が、そのまま放置されています。壊れた自転車のペダルを、男の子がすごい勢いでぐるぐる回していて、いつ車輪が飛んで来ないか、ハラハラしてしまいます。五寸クギやノコギリも、赤ちゃんだって手をのばせばすぐ届くところにあります。

保育園なのに昼寝用のベッドはなくて、みんな眠くなったら、穴や階段や、好きなところで寝るのだそうです。唯一、床に転がっているベッドマットは、みんながピアノの上からジャンプするので、穴だらけでボロボロ。 一応ランチを用意するキッチンもありますが、食器は子どものおままごとセットとごっちゃに使われて、砂が入っていたり、ベタベタしていたり。ここで、シムがサンドイッチを作ってくれます。みんな、お腹がとても強いんですね。
お茶を入れるとき、「これ本当に使ってもいいの?」と聞いたら、シムは「....なんで?」と答えていました。

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ある日驚いたのは、真夏の昼間、男の子が革のジャケットを裸の上にそのまま着ていました。どうしてもそれが着たかったらしく、とても誇らしげ。でも、だんだん暑くなってきたみたいで、シムにごにょごにょ相談をしてから、その子は庭に出て、そのまま服の上からホースで水浴びをし始めました。どうやら、自分でちゃんと乾かすのなら、そのまま水浴びしてもいいよ、と約束をしたようです。でも、びしょぬれになった革はとっても重くてしぼりにくくて、その子は、1時間くらい、泣きながらやっていました。

とにかく「何をしてもいい」のがこの保育園、自由は大人が汚してはいけないことだそうです。でもその代わり、自分で決めたことは、最後まで自分で責任をとる、そういうことを、シムはいっぱい教えたいみたいでした。 アムステルダムは自由を大切にする街ですが、ここは特に、すごいです。行くたびに、自分は何てカタブツなんだ..と常識と脳みそがグニョグニョにされます。 アムスに行くことがあれば、是非是非、訪ねてほしい場所です。

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