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photo: Jiro Endo
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オランダ公園事情-4
-輝くシムの保育園-
"La Creche"
Koningsstraat, Amsterdam
アムステルダム市街真っただ中、ニューマルクト広場のすぐ近くにあるこの保育園は、私の友人のSim(シム)という50代後半の男性が経営しています。
4階建の住宅や店鋪が連立するブロックの1階にあり、近隣と共有している中庭があります。普通ブティックが入るような普通のテナント空間なのに、中に入るとビックリ!まるでトム・ソーヤとかピーターパンの隠れ家みたいな、自由と創造と遊びと冒険と夢と輝きと..そんな響きに満ち満ち溢れた、ものすごいオーラを発した空間が広がっているのです。
まずびっくりするのが、四角い室内に張り巡らされた、迷路みたいな木の空間。本人が何年もかけて作ってきたものだそうだけれど、とにかくすごい。
靴箱の上が階段になっていて、トンネルや階段をくぐってシースルーの天井部屋に続いています。途中に滑り台があったり、ぶらさがりロープがあったり、いきなり落とし穴があったり。
0歳3ヶ月の子から4歳までの子までが、ここの迷路の中でキャーキャーいいながら鬼ごっこをしたり、秘密基地を作ったり、階段の順番で喧嘩したり、飛び下りたり、落っこちて泣叫んだり、隠れていじけていたり、とんでもない興奮を繰り広げているのです。
それから、天井から吊るされたガスストーブ。3歳児なら届いてしまう高さにあって触るともちろん熱い。みんなストーブの「底」をいつも見上げている格好になります。本当に落っこちてこやしないか、行く度にハラハラしてしまいます。
壁にはとんでもない数のがらくたが張り付けられ、大工道具や木の合板が放置されたままになっています。壊れた自転車のペダルを大きい子が恐ろしい勢いでぐるぐる回しているし、ペンチもクギも子供の手の届く場所にあって、引き出しをあければノコギリだって簡単に取りだせます。
お昼寝用のベッドなどもちろんなく、眠くなったら好きなところで寝ればいいそうです。唯一床に転がっているベッドマットは、ピアノからのジャンプ場になっていて穴だらけでボロボロ。
一応ランチや飲み物を用意するキッチンもありますが、ポットもお皿もみんな子供たちのおままごとセットと化しています。「これ食べるのに使ってもいいの?」と聞くと、「....なんで?」という答え。なんでも熱湯消毒する日本の常識からは、ちょっと考えられないです。
ある日驚いたのは、男の子が真夏になぜか革ジャケットを裸の上に着ていました。どうしてもそれが着たかったらしく、とても誇らしげ。すると「汗かいた!」と言いながらそのまま服の上からホースで水浴びをし始めたのです。シムとの会話から推測すると、どうやら自分でちゃんと乾かすことができるのなら、びしょびしょに濡らしてもいいよ、と男同士の約束をしているよう。男の子は、あとになって泣きながら一生懸命に革ジャケをしぼっていました。
とにかく「何をしてもいい」のがこの保育園です。その自由は絶対に大人が汚してはいけないこと。ただそういう環境の中で子供たちは、自分で決めたことは自分で責任をとる、ということを学んでゆくのです。
オランダでも特にアムステルダムは自由を大切にする街です。その文化を象徴するかのようなこの子供パラダイスに遊びにゆくたびに、大人はどんな環境を用意すべきなのか、目からウロコが落ちるくらい考えさせられます。
アムスに行ったなら、是非訪れて欲しい場所の一つです。
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